
漫画家・東元俊哉さんの漫画作品『テセウスの船』がTBS日曜21:00枠で2020年1月にドラマ化されたことは、今も記憶に新しい話ですよね。
筆者はミステリーが好きなので、過去と未来を主人公が行き来しながら過去の事件の真相を解き明かすストーリーに惹かれて、ドラマを毎週楽しみに見ていました。
その主題歌となった、Uruさんの『あなたがいることで』は実に秀逸で、多くのファンが心を揺さぶらされたことでしょう。
では、Uruさんの『あなたがいることで』にはどんな魅力が詰まっているのか、またこの楽曲で描こうとした歌詞の世界観とは何か?
そこで、本記事で、Uruさんの『あなたがいることで』の魅力と歌詞の意味やメッセージを掘り下げて解説していきます。
ドラマ主題歌にも起用されたUru『あなたがいることで』とは?
音臼小学校を舞台に大規模な無差別毒殺事件が発生し、その容疑者となり逮捕された佐野文吾。
彼の息子で、文吾が逮捕された後、母の旧姓を名乗りながら身を隠すような日々を送っていた田村心が、事件の真相と父の濡れ衣を晴らすべく過去と現在を行き来しながら事件を追いかけていく・・・
そんなストーリーが描かれた漫画作品が、漫画家・東元俊哉先生の漫画作品『テセウスの船』です。
さて、このテセウスの船の主題歌として起用された楽曲が、Uruさんの『あなたがいることで』ですが、端的に言うと『あなたがいることで』の後に続くフレーズを考えさせるための楽曲であり、まさにテセウスの船にぴったりな楽曲です。
テセウスの船では、父・文吾がいることで、彼の子供である心たちは、
- 肩身の狭い思いをして生きてきた
- 愛と正義の心を受け取ることができた
といった2面性を受け取ってきたのではないでしょうか。
もちろん、そのことの善し悪しは、受け取り側によって変わってくるとは思いますが、愛すべきあなたがいることで、その後に続く何かを受け渡している(あるいは受け取っている)のは事実だと思います。
そういった大事な部分が一つのテーマとして描かれ、Uruさんの透明感あふれる歌声と、ピアノを中心として奏でられた温かみのあるメロディが、その世界観をより一層盛り上げてくれています。
『あなたがいることで』は私と私自身が大切に感じているあなたの二人が歌詞に登場し、『あなたがいることで』の後の部分を考えさせてくれる、Uruワールド全開な泣ける楽曲に仕上がっているので、ぜひ、一度聴いてみてほしいですね。
『あなたがいることで』の歌詞に描かれた大切なメッセージ・意味とは?

Uruさんの楽曲『あなたがいることで』は、今もお話ししたとおり、あなたという大切な人がいることで、その先に何が起こるのかを考えさせてくれる重要なメッセージが含まれた楽曲となっています。
残念ながら、現実社会において、酸素が地球上に存在しているのと同じように、ある種、当然のごとく家族や友人がいてその存在の大切さをどこかで忘れているところがあるような気がしますし、あなたがいることでが伝えようとしたメッセージもスルーされている気がしてなりません。
では、ここで、その大切なメッセージや歌詞の持つ意味をもう少し掘り下げて開設していきますね。
私とあなたが歌詞に登場する意味

まず、言っておかなければいけないことが一つあります。
それは、『あなたがいることで』の歌詞には、私(主人公)と、あなた(目に見えない過去・未来の存在も含め・・・)がいるということ。
この私とあなたという登場人物が、この楽曲ではすごく重要な意味を持っていることをまず理解しておいてください。
この登場人物を無視して話を進めていくと、全くメッセージが伝わらなくなってしまいますので注意しましょう
ちなみに、この私とあなたは、具体的に『誰』と指定はしていません。
私は主人公(つまり楽曲を聴いているあなた自身)を指していますが、あなたは、聴き手にとって大切と思える誰かであり、それは過去の人物の可能性もこれから生まれてくるであろう未来の人物である可能性も秘めています。
要は聴き手一人一人が想像する大切なあなたというわけ。
ぜひ、みなさんもそれぞれが思うあなたを想像しながら、『あなたがいることで』を聴いてみてください。
そうすることでぐっと歌詞の意味や伝えようとするメッセージを感じることが出来、より味わい深く楽曲の魅力を楽しむことが出来ますよ。
私からあなたへのメッセージとは?

さて、私とあなたの存在が理解できたところで、ここから先の大事なメッセージについて解説していきます。
ズバリ結論から言わせていただくと、
- 『あなたがいたことで、私は今生きていられる』
- 『あなたは、私にとってかけがえのない人である』
といったメッセージが、歌詞の中で綴られています。
また、一方では、あなたから私に対して
『君は決して一人じゃない。常にそばに寄り添い見守っているからね』
と包み込んで優しく接してくれているような印象も与えてくれています。
これは、一番のサビにもあるフレーズですが、
『もしも明日世界が終わっても
出典:https://www.uta-net.com/
会えない日々が続いたとしても
僕はずっとあなたを想うよ』
の一節は、まさに私とあなたが想いあっている様子が描かれています。
それも、ただいつもそばに寄り添っている人物だけではなく、一度もあったことがない過去や未来の人物の場合でも想っているというのですから、如何に二人の絆が大きいのか、また愛し合っている(ここで言う愛は男女のあいとは限りません)のかがうかがえますね。
つまり、先ほどご紹介した『あなたがいることで』が伝えようとしたメッセージから、愛の絆や想いあうことの大切さがくみ取れるというわけ。
ぜひ、そのメッセージをくみ取り、じっくり『あなたがいることで』を聴いてみてください。
『あなたがいることで』の後に続く言葉が重要!
楽曲の紹介部分でもお話ししましたが、『あなたがいることで』の歌詞を読み解いていくと、『あなたがいることで』の後に続く部分の大切さに気づかされます。
登場人物は私とあなたの二人ですが、まさに、『あなたがいることで』の後に続くフレーズが、二人の関係性によって変化します。
例えば、私が息子、あなたが父親の場合
『あなたがいることで、私が今生きている、父であるあなたが、時に厳しく時に優しく愛情を持って育ててくれたおかげ・・・』
と、テセウスの船に登場する田村心と佐野文吾にリンクさせたニュアンスで捉えることが出来るでしょう。
また、私が母親、あなたがこれから生まれてくるであろう未来の子供だった場合、
『いくつもの困難に心が押しつぶされそうになることもあるけど、未来に生まれてくる我が子を想うことで前を向いて生きていくことが出来ている。あなたがいることで、私も強くなれているよ。早く生まれてきてね。楽しみにしているからね。』
といったニュアンスで捉えることだって出来ます。
ここでご紹介したのは一部に過ぎませんし、私とあなたの関係性を変えれば、その意味の捉え方は無限大に広がります。
ちなみに、『あなたがいることで』で描いている私とあなたは、おそらく
- 愛し合う二人
- 家族(親子か兄弟・姉妹)
のいずれかだと筆者は考えています。
ただ、その対象が誰と誰であったとしても問題ないように広範囲で歌詞が紡がれているのは間違いありません。
大事なのは、私とあなたが誰と誰であるのかを想像しながら、『あなたがいることで』の後に続くフレーズを思い描くことにあります。
ぜひ、みなさんそれぞれの視点で、私とあなたの存在や『あなたがいることで』の後に続くフレーズを想像しながら、この楽曲を聴いてみてくださいね。
『あなたがいることで』の歌詞の意味・学びとは?

最後に、『あなたがいることで』の歌詞の意味や、この楽曲を通じて学ぶべきこととは何かお話ししておきます。
それは、誰もが他の誰かを幸せにするために生きていて、孤独を癒やすという意味合いとは別の角度で、
- 絆や愛の大切さ
- 人は一人で生きていない
といった教えを与えてくれているのだと、筆者は感じています。
特に、今の時代、何かと閉鎖的な感情が増幅していますよね。
核家族が増え、それぞれの生活を過ごすのは良いのですが、その分、どこか閉鎖的になり、隣近所でもほとんど会話することなく、最終的には誰も信じなくなってしまうという最悪のケースも・・・
孤独死を迎える人が増えているのも、その象徴といえるのかもしれませんし、なんだか寂しい気がします。
どんなに頑張ってみたところで、人は一人では生きていけないし、そうあっては寂しすぎるので、Uruさんの『あなたがいることで』を聴きながら、絆や愛の大切さを考えてみませんか?
絆や愛は人が持つ永遠のテーマでもあり、また『あながたいることで』の歌詞が描く真の意味なのかと考えています。
ぜひ、みなさんが、その絆・愛を大切に日々楽しく生きられますことを心から願っています。
まとめ
今回は、Uruさんの『あなたがいることで』の魅力や歌詞の意味、楽曲から学ぶべき大切なメッセージを、筆者独自の目線で紐解き解説させていただきました。
『あなたがいることで』は、私とあなたがそれぞれの目線で、このタイトルのフレーズの後をどう考えメッセージとして繋げていくかを考えるための楽曲だと筆者は考えています。
そして、そこには欠かすことの出来ない愛や絆といった要素が大きく関係してくるわけで、その重要性を感じながら、
『人は一人では生きておらず、どんな人にも誰かが最低一人は寄り添ってくれているし、必ず誰かの支えになっている』
という教えを与えてくれている素晴らしい楽曲でもあります。
ぜひ、みなさんも孤独や寂しさを感じたとき、Uruさんの『あなたがいることで』を聴いてみて、絆や愛の大切さを考えてみてくださいね。