
大人気テレビアニメ『鬼滅の刃』のOP『紅蓮華』を歌い大ヒットさせた歌手・LiSAさん。
もちろん、彼女は以前からアニソン中心に様々なヒットソングを歌い歌手として成功していますが、特に紅蓮華は世代を超えて多くのファンから愛された楽曲として有名ですよね。
さて、そんなLiSAさんの最新曲『愛錠』は、桜庭ななみさん主演ドラマ『13(サーティーン)』の主題歌として起用され注目されている楽曲です。
では、具体的にどのような魅力あふれる楽曲なのか、また、歌詞の意味や世界観、楽曲が伝えようとしているメッセージ性を、筆者独自の見解で分析し、本記事で解説していきます。
ぜひ、ドラマと共に『愛錠』の世界観を堪能してください。
LiSAが歌う『愛錠』とはどんな曲?
みなさんは、アニソン歌手として大ブレイク中のLiSAさんが歌う『愛錠』という楽曲をご存じですか?
この楽曲は、冒頭でもご紹介したとおり、2020年8月22日まで放送されていたテレビドラマ『13(サーティーン)』の主題歌として起用された楽曲です。
ドラマ本編は、イギリス版『13(サーティーン)』のリメイクとして手がけられ、タイトルにあるとおり13歳の少女が誘拐・監禁され、時を経て26際となりようやく監禁から逃れるのですが、別途誘拐事件が発生し、またもやその女性が事件に巻き込まれていく・・・
一つの誘拐・監禁事件をもとになんとも気持ち悪いサイコパスな犯人と対峙していくサスペンスドラマです。
おそらく、この犯人は、異様なフェチシズムを持ち、少女を次々と誘拐していったのでしょう。
そして、LiSAさんが歌う、このドラマの主題歌『愛錠』も、実に重苦しい愛情がうごめく印象を受ける曲調で奏でられています。
イントロはゆったりとした感じなのですが、曲が進むにつれて凄く深みが増し、どこかアンティークな世界観がずっしりのしかかってくるというと聞こえが悪くなってしまうのですが、まさに、愛という感情が、一方で暖かく一方で身動きを封鎖してしまう怖さへと変換しているように感じさせてしまうのです。
確かに愛情を持つことは美しいのですが、それが方向を間違えて一方的な押しつけになってしまうと、愛情を与えられている相手にとってはストーキングという苦痛を与えられることになってしまいます。
でも、与えている方としては同じ愛情であることに違いなく、愛するなと言われてしまったらそれはそれで苦しい・・・
『愛』とひとことで表現されていることであっても、方向性が少しでもずれると足枷となってしまうということを、このゆったりしたメロディの中でも如実に描かれていて、それが、歌詞の世界観と合わさりより広がりを見せています。
ぜひ、愛の暖かさと足枷としてしまう恐怖の二面性を感じながら、愛錠という楽曲を味わい聴いてみてほしいです。
愛錠の歌詞の意味・世界観

さて、ここからは、LiSAさんが歌う『愛錠』という楽曲の歌詞の意味・世界観について、筆者独自の見解ではありますが、さらに掘り下げて解説していきます。
正直、歌詞冒頭からかなり重苦しいワードが連発してきます。
『話せば想い出となるが隠せば幸せで、さらに時間が全てを奪う・・・』
多少、短く歌詞をまとめましたが、このようなニュアンスのフレーズが歌詞冒頭からたたみかけてくるのです。
正直、筆者自身、第一印象として一体何のことを語っているのか全く理解できていませんでした。
しかし、その後のワードをかみしめながら聴いていくと、その意味がくっきり映像として浮かんでくるのです。
というのも、この愛錠の歌詞のテーマは『愛』がもたらす絆の深まりや温もりではなく、愛することによって生まれてしまう息苦しさや拘束感であり、改めて『愛』の奥深さを痛感させる歌詞となっています。
愛してはいけない人を愛してしまった故に、その愛に縛られることとなってしまい苦痛を受けることとなってしまった・・・
それがどんなに息苦しくて苦しいことなのか、想像を絶する世界ですよね。
愛してしまえば地獄だし、離れてしまったら孤独を感じてしまう・・・
そして、罪とわかっていながらも後戻りの出来ない愛の形に突き進んでしまうその葛藤・・・
考え始めたら背筋が凍り付いてしまいそうなくらい、恐怖で寒気を感じてしまいます。
しかし、愛錠の歌詞に出てくる主人公にとっては、どんなに恐怖を感じたとしても愛さずにはいられず、愛さないことの方がむしろ苦しいのだと思います。
つまり、愛錠とは
『愛するが故に己の感情を拘束させてしまうほど苦しく切ない想いを募らせてしまう』
ということを意味していると言えますね。
間違った愛(度を過ぎた愛)は、与えられる側をも不幸にする!

先ほど、愛による拘束がもたらす苦しみが『愛錠』であると言いましたが、それは愛した側だけの話ではありません。
強制的に愛されてしまいストーキングや拉致・監禁されてしまった被害者も当然不幸に陥ってしまいます。
全くなんとも思っていない人からいきなり多くの愛を向けられ、それが強制的に受けさせられるとあれば、それがかなりの恐怖になるのは当然。
ただ、知らないところで愛されているだけならまだしも、直接ストーキングされたり拉致・監禁されるなんてことになれば、まさに地獄ですよね。
このように、『愛』は、与え方を間違えると、与えられた側までも地獄に突き落とす諸刃の刃的な側面を持っていることが、愛錠の歌詞からくみ取ることが出来ます。
ぜひ、『愛』にもネガティブな要素が存在し、時にいろんな感情を縛り上げてしまう苦しいものに変化することを知った上で、『愛錠』を聴いてみてください。
より世界観が深まり、感情移入しながら聴くことが出来るので、『愛錠』という楽曲を心の底から楽しむことが出来ますよ。
愛錠がもたらすメッセージとは?

愛をテーマにした楽曲というと、どうしてもラブロマンス的な要素を真っ先に想像しがちですが、LiSAさんが歌う『愛錠』はラブロマンスな要素ではなく、
- 愛するが故の苦しさ
- 愛されることへの恐怖
といったネガティブな要素をテーマとして歌詞が紡がれています。
では、そんな愛錠が私たちにもたらすメッセージとは一体何なのでしょうか?
ここからは、筆者の憶測でお話ししますが、おそらく、愛錠は、愛がもたらす足枷(拘束)を描くことによって、
『度を過ぎた愛情を持つことへの危険性を理解すべき』
という一つの訴えがメッセージとして込められているのだと考えます。
もちろん、これは、愛に限らず何事においても言えることであり、度を過ぎた力からは破壊しかもたらされないのです。
例えば、近年の日本の過労死の原因も異常なほどの労働が一つの要員となっているのは誰の目からもわかっている事実ですよね。
まぁ、命がけで働いてそれなりの結果が出るなら、まだ労働者魂も報われるのかもしれませんが、長時間働いたとしてもそれに見合った成果が出るとはとても思えず、結果、労働者の命が失われて終わり・・・
これでは誰が幸せになれるというのかわかりませんよね。
あくまで過労死というのは一つの事例に過ぎません。
ただ、過労死に至る人たちの姿を見ても、
『どんなことにおいても限度を過ぎると破滅に導かれてしまう』
ということの意味が如実に表れていますよね。
何事においてもバランスをしっかり取りながら人生を渡っていく必要が私たちにはある!
愛錠の歌詞には、その教えがメッセージとして歌詞に込められているのではないでしょうか。
そう考えると、愛について凄く深みのある楽曲であり、また味わい深く聴くことができ心に響く楽曲という印象を受けます。
もちろん、これは筆者目線の捉え方に過ぎません。
ただ、少なくともこの愛錠という楽曲にもしっかりとしたメッセージが込められているのは事実です。
ぜひ、みなさんご自身で、そのメッセージや歌詞の意味・世界観をくみ取り、LiSAさんが歌う『愛錠』を存分に楽しんで聴いてください。
まとめ
今回は、アニソン界の女王といっても過言ではない、歌手・LiSAさんが歌う『愛錠』という楽曲に焦点を当て、楽曲本来の魅力や歌詞の意味・世界観、そして、歌詞全体から伝わるメッセージ性について、筆者独自の見解で分析し解説させていただきました。
本来、愛というものは、人の絆を結びつけ孤独・孤立から解放させるだけでなく、心そのものを豊かにしていく大切な要素です。
しかし、そんな愛であっても度が過ぎてしまうと間違った方向に突き進んでしまい、あらゆる人を不幸に陥れてしまう・・・
LiSAさんの『愛錠』という楽曲には、単に愛による束縛だけでなく、愛が限度を超えることで生まれる怖さを教えてくれているような気がします。
ぜひ、その意味をかみしめながら、愛錠をじっくり味わいつつ何度も聴いてその世界観を堪能していただければ幸いです。