
独特の音楽センスを持ち合わせ、多くのファンから愛されているシンガーソングライターのAimerさん。
- あなたに出会わなければ〜夏雪冬花〜
- Black Bird
など、数々のタイアップソングを手がけ、音楽シーンを牽引するトップアーティストの一人として多くの音楽ファンに注目されていますよね。
さて、そんなAimerさんが、音楽ファンの間で人気が高いのは、『ある魅力』が強烈に突き刺さっているから他にないと筆者は考えています。
では、その魅力とは一体何なのか?
また、Aimerさんが多くの音楽ファンから愛され続けている理由も含め、彼女の魅力や隠れたオススメソング2つ&最新曲『SPARK-AGAIN』の注目ポイントと共にご紹介していきます。
Aimerの持つオリジナリティあふれる音楽の世界観

世の中の音楽のジャンルは、
- ロック
- ヘヴィメタル
- バラード
- ポップス
- ジャズ
などなどたくさん存在し、そのジャンルの音楽が歴史と共に生まれ発展していることは、なんとなく皆さんもご存じのことと思います。
例えば、ニューオリンズ・ジャズも南北戦争後に解放された黒人や黒人と白人のハーフ(クレール)たちが、貧しくて楽譜が読めなくとも『ホウキ』や『たらい』などの身の回りにある道具を使って自由に演奏し始めたところから誕生しています。
まぁ、詳しい話は割愛しますが、そのほかのジャンルの音楽も歴史が大きく関わり、私たちの心を満たしたり、魂の叫びを届けるために誕生しているわけです。
Aimerの音楽が誕生した背景
さて、話を戻しますが、シンガーソングライターとして活躍されているAimerさんの音楽も、実は彼女なりの歴史が大きく関係して生まれています。
というのも、元々彼女は、宇多田ヒカルさんや椎名林檎さんの歌まねをしていたらしく、その影響で声を壊して最終的に少しでも喉を休ませながら上手く歌う技法として、低音ボイスでかすれた歌い方を身につけ今に至っています。
幼少の頃にハイトーンボイスで歌っていた彼女が、変声期や喉の状態の変化に伴い、彼女なりの歌い方の変革をもたらし、その歴史に伴いながらダークで彼女にしか紡げないはかなく切ない音楽の世界観を展開するようになった・・・
そのことが、今のAimerさんの大きな財産となり、多くの音楽ファンから賞賛を受けていると考えると、実に感慨深いものがありますよね。
Aimerの魅力とは?

シンガーソングライターのAimerさんには、多くの音楽ファンの心に突き刺さる『ある魅力』が存在していると、冒頭でもお話ししましたが、その魅力とはズバリ
『低くかすれた声質と、それに見合ったダークな世界観』
他ありません。
例えば、テレビアニメ『夏雪ランデブー』の主題歌にも起用された名曲『あなたに出会わなければ 〜夏雪冬花〜』は、涙なしでは聴くことのできない、切ないラブバラードソング。
ラブバラードソングといっても、決してハッピーエンドではなく失恋した辛さを如実に物語り、それでも恋をして良かったと前を向こうとしている心のあり方が、ダークながら優しく寄り添ってくれるメロディとAimerさんの歌声で、一つの世界観として伝わります。
あくまでここからは筆者の推測も加わっていますが、もしかしたら、この失恋した主人公は何か不慮の事故か何かに見舞われ亡くなってしまったのかもしれません。
実際に、『夏雪ランデブー』では、ヒロインの恋人が病気によって死んでしまいます。
- 死によって大切な彼女に寄り添うことができず悔しさを募らせる心
- 死という永遠の別れを告げられてしまい、その喪失感にさいなまれてしまう残されたものの心
そういったどうにもならない感情も含めて、Aimerさんの低音でかすれた歌声にマッチしたダークな世界観として、多くの音楽ファンの心に突き刺さっている・・・
筆者自身そのように考えていますし、だからこそ涙なしでは聴くことのできない彼女ならではの音楽の世界観を持っているとお話ししているのです。
もちろん、このAimerさんならではの音楽の世界観は、『あなたに出会わなければ 〜夏雪冬花〜』だけに限った話ではありません。
後ほど、オススメソングや最新曲『SPARK-AGAIN』の魅力もご紹介していきますが、全ての楽曲において、Aimerさんにしか奏でられない音楽の世界観がダイレクトに聴き手に伝わってきます。
そんな闇・はかなさ・切なさ・優しさといった一つ一つの表現力が高く、メッセージを伝える能力の優れたトップアーティストだからこそ、Aimerさんは多くの音楽ファンに愛されているのです。
ぜひ、みなさんも、一度Aimerさんの音楽の世界観に触れてみてください。
YOUTUBEやSpotifyなどの配信サイトで彼女の音楽に触れてみても構いませんし、現状は難しいですが、コロナが治まったら、一度彼女のライブに足を運んでみるのもあり!
例えば、2018年6月に開催された、『Aimer special concert with スロヴァキア国立放送交響楽団 “ARIA STRINGS”』なんて、オーケストラにAimerさんの歌声が見事にマッチし心が震えました。
これは一つの事例ですが、一度彼女の楽曲を聴いてしまったら、完全にAimerさんの音楽の虜になること請け合いなのでおすすめです。
Aimerの隠れたオススメソングベスト3

劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterfly主題歌に起用された『I beg you』や、土屋太鳳さん・芳根京子さんが主演を務め話題となった映画『累 -かさね-』の主題歌『Black Bird』など、Aimerさんはたくさんのヒットソングをリリースしています。
しかし、その中にも隠れた名曲がまだたくさんあることを皆さんご存じですか?
ここからは、どちらかというと馴染みはないけれども、心に響くAimerさんの隠れた名曲を2曲ご紹介します。
ポラリス
ポラリスは、2013年11月20日にリリースされたAimerさんの1stミニアルバム『After Dark』に収録された楽曲の1つ。
この楽曲では、ピアノを主旋律、ドラムをビートといった感じで、この二つのパートを軸にイントロからサビまでのメロディが展開されていくのですが、そこに少し割って入った感じのシンセもすごくダークな世界観を醸しだしGOOD!
そして、極めつけは、Aimerさんの低音ながらかすれた歌声・・・
Aメロからすごく暗い雰囲気で展開されつつも、
『一人さまよい歩く主人公を導く水先案内人との触れあい』
を想像させるような、どこか闇の中にかすかに見える温もりだったり光だったりを感じることのできる音楽へと、彼女の歌声で一気に躍進させています。
この『ポラリス』で紡がれている歌詞の世界観は、Aimerさんとスタッフが開設しているツイッターでも
『戻ることはできない道、前へ進めば傷つくこともある。
https://twitter.com/
こころの奥に不安も孤独も、必ずある、一人ぼっちの旅。
そんな道だからこそ誰かが誰かのポラリスになれたらいいのにって
書いた曲。』引用
紹介されていますが、簡潔に言うならば、ポラリス=北極星となるべき別の人が、別の人にとっても道標となり、不安や孤独、そして、傷ついた心に優しく寄り添って支え合える世の中であってほしいという想いが、一つの世界観として凝縮されているのです。
その中には、誰からも声をかけてもらえずに暗闇の中を一人さまよい歩きながら不安と孤独に耐えている人もいれば、そのことに耐えきれず自殺してしまったなんて人もいるかもしれません。
悪く捉えるならば、この水先案内人が実は死神であり、主人公をあの世(天国)に導いているだけという話と受け取ることもできるかもしれない・・・
そんな怖さも含めていろんな受け取り方ができ、なおかつその奥には、不幸な死を少しでも減らし、誰かが誰かを支える姿を想像していきたいという想いが込められているのではと感じることができるのです。
こんな奥深く味わいある楽曲が、何故、ミニアルバムに収録された1曲として存在しているのか・・・
もっと、多くの音楽ファンに届いても良いのではないかと思うのも、筆者の率直な気持ちであります。
もちろん、Aimerさんのファンのほとんどは、『ポラリス』も知っているとは思いますが、彼女自身を知らない人の多くは、『ポラリス』は知らないのではないでしょうか。
この『ポラリス』という楽曲は、まさにAimerさんにしか歌えないような、奥が深く味わい深い楽曲であるために、隠れた名曲の一つとしてご紹介しておきます。
everlasting snow
everlasting snowは、Aimerさんの人気シングル『茜さす』のカップリングとして収録されたバラードソング。
楽曲のテーマはクリスマスの情景となっていますが、ただクリスマスを祝っている楽曲ではなく、せわしないクリスマスの中に、ぽつんと取り残された一人の主人公を取り巻く情景が、一つの世界観として描かれています。
クリスマスって、サンタが街にやってくるイベント行事の一つとして、当たり前のように捉えられていませんか?
特に子供たちなんてサンタさんにプレゼントをもらいたいと、目をキラキラ輝かせていますよね。
筆者も、昔はそのような感覚を持っていましたし、今でこそ素通りしていますが、街の賑わいをみると微笑ましく感じるものです(笑)
しかし、クリスマスも決して当たり前にやってくるわけではありません。
特に街に雪が降るホワイトクリスマスなんて、まさに奇跡が生む非日常と言うべきでしょう。
everlasting snowが切ないバラードソングと位置づけられる理由

ここから先の部分は、実際に筆者が『everlasting snow』のMVを見た感想となりますが、おそらく、このMVに登場するヒロインは、今は会うことのできない父親がいたんだと思います。
何故会うことができないのか・・・
その理由はいろいろ考えられますが、もしかしたら、幼い頃に何かしらの事故や病気で父親が亡くなっているのかもしれません。
だからこそ会えないと考えると、ものすごく切ない何かを感じさせられます。
さて、話を戻しますが、『everlasting snow』では、周りが賑やかにクリスマスを祝っている最中、一人ぽつんと取り残されながら大切な人を傷つけた過去を後悔している情景が描かれています。
しかも歌のラストにはかつてクリスマスを一緒に祝っていたと思われる父の面影が・・・
そんな彼女を、一つの雪の結晶が、ちょこんと彼女の方に降り羽を休めるかのように寄り添っている訳です。
もしかしたら雪を降らせたのも、天国から娘のことを見守っている父が起こした奇跡なのかもしれませんね。
everlasting snowのメロディの魅力
さて、話をもう一度戻しましょう。
Aimerさんが歌う『everlasting snow』は、主人公目線のクリスマスの情景を描いた楽曲であり、そこに降雪という一つの季節が加わっているに過ぎません。
客観的に見れば、クリスマスをテーマに描かれた楽しくポップな楽曲であっても何らおかしくないのです。
では、何故、この『everlasting snow』が切ないバラードソングなのか・・・
今度は、曲調(メロディ)の要素から、その意味や魅力をご紹介していきますね。
まず、バラードソングには、曲全体の柔らかさやメロウ感が高く求められますが、『everlasting snow』はその高い要求に対して見事に応えています
曲全体がゆったりしていて、それでいて抑揚もついている・・・
さらにシンフォニックでオーケストラとして奏でても全くイメージが壊れない曲としての構成はもう完璧!
ピアノの旋律やリズムを刻むドラム・ベースなどをシンフォニックな音たちが優しく包み込んでくれているからこそ、『everlasting snow』は切ないバラードソングとして安心して聴くことができます。
もちろん、Aimerさんの低音ながらかすれた歌声がさらなる世界観を創出していることは言うまでもない話。
バラードに対する必要な全ての要素が揃っているので、一度聴いたら、『everlasting snow』の独特の世界観に引き込まれ、思わず涙してしまうのです。
『everlasting snow』はAimerさんの楽曲の中でもかなり切なく泣けるバラードソングに仕上がっている味わい深い隠れた名曲なので、ぜひ、一度聴いてみてくださいね。
最新曲『SPARK-AGAIN』の魅力・注目ポイント

さて、現在放送中のテレビアニメ『炎炎の消防隊 第2シリーズ』のOPにも起用されたAimerさんの最新曲『SPARK-AGAIN』ですが、またこれが彼女らしさ全開の魅力あふれる楽曲に仕上がっています。
では、その魅力や注目ポイントを軽くご紹介していきたいと思います。
ロックテイストを使いこなした巧みなサウンドがGOOD!

Aimerさんの楽曲というと、ダークな世界観を彷彿した楽曲が多い印象を受けますが、もちろんそれだけではなく、
- Black Bird
- beg you
のような、激しいロックサウンドも多数リリースされています。
しかし、今回の『SPARK-AGAIN』はAimerさんの持つダークなテイストはできる限り押さえつつ、かなりシンプルながら疾走感あふれるロックテイストにまとめています。
もちろん、彼女の歌声がハイトーンボイスに変わるなんてことはありませんし、ロックテイストと言いながらも、極端なヘヴィメタル調に変わっているなんてこともありません。
ただ、純粋にロックテイストを盛り込みシンプルでかつ明暗はっきりしたサウンドが、実に心地よく、独特のバラードサウンドやこれまでリリースした激し目の楽曲ともまたひと味違ったAimerさんならではの新たなロックなテイストが楽しめます。
注目ポイントはサビパート!

特に注目してほしいのはサビのパートですが、サビに入るまでに聴かれたかすれたAimerさんの歌声が、一転して透き通った声でパワフルなものに進化しています。
さらに、歌詞そのものが、
- 『白か黒か』
- 『一か八か0に変えるまで』
といった明瞭なワードが盛り込まれ、楽曲そのものを大きく盛り上げてくれています。
このサビを聴いただけでハートに火がつくこと間違いありませんので、ぜひ注目して聴いてほしいですね。
Aimerの楽曲にはまる人とは?

最後に最新曲『SPARK-AGAIN』も含め、Aimerさんの楽曲がはまる人(どういうときに聴くと心に寄り響くの?)をご紹介します。
泣きたい人・癒やされたい人にはバラード系がおすすめ!

世の中は理不尽なもので、一生懸命頑張って生きている最中でも、コロナウイルスや自然災害に襲われ心が傷つけられることは多々ありますよね。
中には泣きたくても泣けないほど辛い人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな泣きたい人や精神的に辛くて癒やされたい人には、Aimerさんのバラードソングが刺さります。
例えば先ほどご紹介した『ポラリス』は、あなたの心に寄り添い孤独から解放してくれます。
そのほかにも、『茜さす』のように、別れを想像させる楽曲でありながらも新たな出発に向けて力強く生きる意思を感じさせる楽曲も多数あります。
Aimerさんのバラードソングには、時に寄り添い時に癒やし、そして、時に次の一歩を踏み出す力を与えてくれます。
ぜひ、泣きたい・癒やされたいと少しでも感じている人は、Aimerさんのバラードソングを聴いてみてくださいね。
少し激しく盛り上がりたい人にはロックテイストな楽曲がおすすめ!

どんなにバラード系が好きな人でも、時には感情を揺さぶるような激しいロックを求めたくなることもあるでしょう。
とはいえ、ヘヴィメタルやハードロックが苦手だと、なかなかそれらのジャンルの音楽に手が出ず来かもしれません。
そんな人には、Aimerさんのかすれた声質がもたらす柔らかさが感じられる少し抑えめのロックテイストな音楽がおすすめ!
例えば、今回ご紹介した『SPARK-AGAIN』は、ロックテイストな音楽の導入としては最適なシンプルなサウンドが楽しめる楽曲としておすすめ!
また、ダーク系なサウンドがお好みなら、
- 『Black Bird』
- 『I beg you』
辺りがおすすめ!
はたまた、元気で明るい楽曲を求めるなら
ONE
は鉄板ソングといえるでしょう。
今回は、隠れた名曲を主軸にご紹介しているので、有名どころの楽曲の詳しい紹介は割愛していますが、Aimerさんの楽曲は、いろんな人の情景に適しているのでおすすめですよ!
まとめ
Aimerさんは、低音ボイスかつかすれた歌声が魅力的で、ダークな世界観を音楽で描ける数少ないアーティストです。
しかし、彼女は最初からダークな楽曲ばかり歌ってきたわけではなく、宇多田ヒカルさんや椎名林檎さんの楽曲もよく歌っておられましたし、ハイトーンボイスに憧れていたのも事実。
あくまで喉を壊して低音ボイスでかすれた声質といった歌い方を身につけたに過ぎず、二通りの歌い方ができるからこそ、音域も広くバラードからロックまで歌える魅力あふれるアーティストとして成長しているのです。
今回はそんなAimerさんの魅力を存分にご紹介させていただきましたので、ぜひ、彼女のサウンドを知る一つのきっかけにしていただければ幸いです。