
ご挨拶のページでも少しお話しさせていただきましたが、筆者自身を絶望の淵から救ってくれたかけがえのない楽曲の一つがAimerさんの『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』であり、筆者にとっては思い入れの非常に高い楽曲です。
特にAimerさんファンにとってはかなり思い入れの強い楽曲であり、何度も涙した人は多いでしょう。
実に切なく胸を締め付けつつ、心のモヤモヤを浄化してくれる素晴らしい楽曲だけに、筆者としても、この楽曲の歌詞を改めて解説していきたくなりました。
そこで、Aimerさんに敬意を表し、今回は、彼女の名曲『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』の魅力や歌詞の意味・メッセージを独自見解ですが徹底解説させていただきます。
Aimerの名曲『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』とは?
現在放送中のテレビアニメ『炎炎ノ消防隊』OP『SPARK-AGAIN』や、公開が迫ってきた劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅲ.spring song』の主題歌『春はゆく』など、数々の名曲を生み出し、ファンに愛され続けているシンガーソングライターのAimerさん。
一部ではアニソン歌手としてのイメージも強いですが、
- 蝶々結び
- marie
など、アニメ関連以外でも数々の名曲をヒットさせ、多くのファンの心を揺さぶり続けているシンガーソングライターとして、実に魅力的なアーティストです。
さて、そんなAimerさんが歌う『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』は、テレビアニメ『夏雪ランデブー』のエンディングテーマとして起用された、切なく哀しいバラードソング。
イントロのピアノソロからもう涙がこぼれ落ち、切なくて悲しくて本当に泣けます。
そして、その涙が、日常でたまっていたモヤモヤした感情やストレス、そして闇の心を浄化させスッキリさせてくれるだけで無く、また一歩前に歩き出す勇気を与えてくれます。
歌詞の内容・意味・メッセージ性については、後ほどたっぷりご紹介していきますが、曲調そのものが全体的にメロウで泣けるテイストになっているので、そちらも非常におすすめ!
ぜひ、何かに苦しんでいる人や無性に泣きたい人は、一度聴いてみてください。
きっと涙があふれ、聴き終えたときにはスッキリさせることが出来るはずですよ。
『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』の歌詞の意味が切ない・・・

冒頭からお話ししているとおり、Aimerさんの名曲『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』は実に切なく泣けるバラードソングとなっていますが、歌詞の意味を知ると、よりその切なさがぐっとこみ上げてきます。
では、具体的に歌詞の意味を、独自見解ですが解説していきますね。
あなたに出会ったことを良かったと思える主人公の心情

『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』というタイトルを見ると、どこか後悔が先につのりネガティブに考えすぎて、現実逃避しているような印象すらうかがえますよね。
実際に筆者自身も後悔の連続で人生やり直せたらと思うことが多々あります。
なので、つい『○○しなければ・・・』と耳にすると、
『後悔している人物をモチーフにしているのかなぁ?』
なんて邪推してしまう心理もよくわかります。
しかし、『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』の歌詞を紐解いていくと、その考えが大きな間違いであるということにすぐ気づきます。
まず、全体的に歌詞を見ていくと、
『あなたに出会わなければ・・・』
という歌詞がサビに出てくることに違いはありませんが、その後にどう続いているかというと、
『こんなに切なくて胸を締め付けられるほど苦しむことが無かった』
出典:https://www.uta-net.com/
と言いながら、その直後に、
『優しさや強さを知らないまま部屋の隅で泣いていた何も見えずに・・・』
出典:https://www.uta-net.com/
というようなワードが続いていきます。
つまり、楽曲全体を通して言えることは、
『恋人を失った哀しみ以上に、新たな一歩を踏み出す勇気(強さ)や痛みを知り他人に対して優しくなれた心の成長を喜んでいる様子がうかがえる』
ということです。
なので、間違っても、ネガティブな感情だけで聴くことなくポジティブな感情で捉えながら、じっくり歌詞の意味を味わい聴いてみてくださいね。
『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』楽曲のテーマ・世界観

『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』の歌詞には、
- 禁断の愛
- 死によって愛する人を失ったことであふれた哀しみの感情
- 愛を知ったからこそ生まれた優しさと強さ
の、大きくこの3つのテーマで世界観が描かれています。
では、細かくそれぞれのテーマを掘り下げて見ていきましょう。
禁断の愛

愛の形はいろいろありますが、その中でも
- 不倫・浮気
- 同性愛
- 教師と生徒
といったような組み合わせで愛し合うことをタブーとする風潮がありますよね。
愛そのものにおいては何も間違ってはいないのに、同性愛だとか、愛し合う順番を間違えたとか、ちょっとしたことでタブーとして批判されてしまう・・・
もちろん、人の恋路を妨害し奪っていくというのは許されて良い恋とは思いませんが、特に同性愛に至っては、誰に迷惑をかけているわけでもありません。
また、教師と生徒という場合においても、立場が違えば年齢差カップルとして許諾する風潮があるのに、『何故教師と生徒だけNG?』という疑問も生まれます。
もちろん、教師が生徒を愛してしまうことで、他の生徒と差別されてしまうということもあるでしょうし、教育上よろしくないという風潮は大きいのでしょう。
ただ、いずれにしても愛が間違っているとは思いませんし、単純に愛し方が他の人たちと違っていただけに過ぎないというのが筆者の考えでもあります。
さて、少し話を元に戻しましょう。
『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』の歌詞冒頭で
『いつも夢の中ではあなたは笑ってる
出典:https://www.uta-net.com/
どうして ねぇ 消えないの』
という歌詞が登場し、そのちょっと後に、
『愛してるんだよ 真夏に降った雪のような それは儚い奇跡なんだ』
出典:https://www.uta-net.com/
と続きます。
そもそも、純粋に愛し合った二人の恋愛模様をただ綴っているだけなら、何故、主人公は必死な思いをしてまで恋人との記憶・思い出を消そうとしているのでしょうか?
その理由の一つとして、愛してはいけない人を愛してしまったからこそ、記憶から消そうとしてしまっている感情が見えるのです。
そして、禁断の愛だったとはいえ、その愛や、恋人と称する人との出会いは夏に降る雪のような儚い奇跡であり大切な出会いであったと綴っている・・・
そんな風にも見えるわけです。
だから、どこかもどかしく切なく胸を締め付けられる感情があふれてしまうのでしょうね。
死によって愛する人を失ったことであふれた哀しみの感情

先ほど、『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』のテーマの一つとして禁断の愛が綴られているとご紹介しました。
ただ、禁断の愛以外にも、この楽曲が綴っていると感じられる例外的愛の形が存在します。
それが、純愛でありながら恋人(または夫)と死別してしまったケースです。
まさに、この楽曲が主題歌として起用されたテレビアニメ『夏雪ランデブー』の設定そのものと言って良いでしょう。
夏雪ランデブーの設定
主人公のアルバイト先である花やの店主・島尾六花は、夫である篤のことを心から愛していました。
しかし、篤は幼少の頃から病弱だったこともあり病気で他界・・・
その哀しさを拭い去ることなど出来ず、夫の死後、六花は新しい恋に進むことが出来ずにいるという設定でストーリーが展開されます。
最終的には、夫の霊と主人公との三角関係はありつつも、主人公との新たな恋に六花は歩み進んで行くのですが、なかなかその想いに至るまで気持ちの整理をすることが難しく、その感情の揺れ動きが、『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』でも描かれています。
六花や大切な家族を亡くした遺族の感情を映し描いたフレーズ
その一つが、2番の歌詞
『あなたに出会わなければこんなに寂しくて涙が止まらない夜はなかった』
という歌詞に凝縮されているのではないかと筆者は考えています。
恋人(または夫・家族)の死によって心の中にぽっかり空いた穴が埋まらずに寂しさだけが募り、誰もいない夜を迎えるのが怖くてたまらない・・・
そんな感情を、主人公が抱いていたのだとしたら、なんともやるせない気持ちを感じてしまいますよね。
ただ、そんな寂しさを抱えながらも、主人公は、前向きに生きようともがいているのです。
愛を知ったからこそ生まれた優しさと強さ

これは、前述の2つのテーマにかかることではあるのですが、
- 禁断の愛故に自ら身を引いた人物
- 恋人・夫と死別してしばらく立ち止まったまま新たな恋に進めなかった人物
そのいずれに対しても、最終的に愛を失い苦しさや辛さを経験した代わりに強さ・優しさを手に入れることが出来たことを、一つのテーマとして描いています。
人は、決して一人で生きているわけでは無く、他者からいろんな形の愛情を受けることで、初めて人として生きることが出来ています。
例えば、赤ん坊の頃には親から受ける愛情によって育っていきますし、少年・少女から大人になるにつれて、学校の先生や友人・知人などあらゆる人の愛情で支え合って初めて幸せな人生を手に入れ生きていくことが出来ているのです。
ただ、この愛というのは非常にやっかいな代物であり、愛を知ることでたとえ失い哀しみに覆い尽くされたとしてもたくましく生きようと希望を持つ人もいれば、完全に自分さえも見失い永遠に立ち止まってしまう人も・・・
『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』に登場する主人公は前者のタイプであり、確かに哀しみ苦しんだことは事実ですが、それでも愛して良かったと、新たな旅路に歩み始めていく様子が描かれています。
そして、愛することが決して悪い物ではないということを表現しつつ、他の2つのテーマと共に、私たちに対するメッセージを与えてくれているのです。
『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』が描こうとした世界観・メッセージとは?

この楽曲の世界観は、
- 断ち切らなければならなくなった禁断の愛
- 愛する人との死別
によって愛を失い、胸が締め付けられるほど苦しく切なくなった主人公が、愛を経験したことで立ち直る勇気を取り戻し、再び新たな恋に歩みを進めようとしていく感情の揺れ動きを映し出しているのではないかと、筆者は考えています。
そして、この世界観を映し描くことで、私たちに対して、
- 『どんな形の愛でも間違っているということは無い』
- 『愛したことは決して無駄になるわけではなく、あなたに優しさと強さを与えてくれている』
- 『人は決して一人ではなく、常に誰かとお互いに愛情を持って接している』
といった3つの気づきをメッセージとして残してくれているように感じます。
ぜひ、そのことを胸に刻みながら、Aimerさんの『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』を何度もじっくり聴いてみてください。
筆者自身も、この曲に絶望の淵からすくい上げてもらっていますし、きっといろんな人の苦しみを緩和して強さと優しさを与えてくれることになるはずですよ。
ちなみに、Aimerさんのベストアルバム『BEST SELECTION ”blanc”』にも『あなたに出会わなければ~夏雪冬花~』は収録されています。
このアルバムには、先日ご紹介したポラリスなど、Aimerさんの名曲がたくさん詰まっているので、ぜひ手に取って聴いてみることをおすすめします。
まとめ
今回は、Aimerさんの名曲『あなたに出会わなければ 〜夏雪冬花〜』の魅力や歌詞の意味・世界観・メッセージを読者目線ではありますが掘り下げてご紹介させていただきました。
とにかくこの楽曲は切なく胸が締め付けられるような泣けるバラードソングであり、その中に、愛についての深いメッセージが紡がれています。
禁断の愛にせよ純愛にせよ、最終的に主人公は愛を失うわけですが、決して愛したことを後悔しているわけでは無く、強さと優しさを手に入れ新たな道へと一歩前に踏み出しています。
そして、そのことの大切さや、常に誰かには愛されているという気づきを教えてくれている点においても、今精神的に苦しんでいる人ほど突き刺さる楽曲と言えるので、ぜひ、一度は聴いて見て欲しいです。
そして、少しでも良いので泣いてスッキリしながら生きる勇気を得てください。