
現在、明治チョコレートのテレビCMにて流れている、椎名林檎さんの楽曲「おいしい季節」。
実に衝撃的で、いつもの椎名林檎さんの楽曲とはまたテイストが異なる印象を受ける楽曲ですよね。
思わずドキッとさせられてしまいそうな、椎名林檎さんの女性らしさが存分に表現された楽曲なんですが、実は、この曲、元々は栗山千明さんに提供された楽曲。
そこで、改めて、本記事で、椎名林檎さんの楽曲「おいしい季節」の曲調や歌詞の意味・曲そのものの魅力を、独自の見解でご紹介していきます。
ぜひ、本曲を聞く時の参考にしてみてくださいね。
おいしい季節の曲調・魅力
みなさんは、椎名林檎さんが歌う「おいしい季節」のサビ部分を、明治チョコレートのテレビCMの中で聴いたことがあると思います。
このサビの部分は、実にメロウでうっとりしてしまいそうなくらいゆったりとした曲調で、その部分に関してだけ言えば、彼女の名曲の一つであるカーネーションに近いものを感じます。
基本的な曲の構成としては、
- 前サビ
- Aメロ
- Bメロ
- サビ
- Aメロ
- Bメロ
- サビ
- 間奏
- Cメロ
- サビ
という構成となっています。
彼女の楽曲の中で、同じゆったりした曲調の楽曲として、
- NHK朝ドラ「カーネーション」の主題歌「カーネーション」
- サントリーカクテルバーのCMソング「茜さす 帰路照らされど…」
などがありますよね。
これらの楽曲も椎名林檎さんらしく、唯一無二の個性的な楽曲です。
カーネーションは、ある意味サビとして盛り上がるメロディーラインが存在せず、ある意味、間奏後のBメロがサビの印象を与えています。
そのため、朝ドラで放送されているカーネーションは、Aメロとイントロが交互に流れるというかなり奇抜な展開でした。
一方、「茜さす 帰路照らされど…」は、Aメロとサビが合体したような構成の楽曲。
いずれにしても、椎名林檎さんだからこそ紡げる珠玉の一曲なのです。

さて、本題となる、おいしい季節ですが、曲の構成は先程お話ししたとおりで、この楽曲のユニークさは、イントロが無いところにあります。
確かに、近年の楽曲の多くは、前サビを用いることでイントロをなくしているケースも多く、決して『おいしい季節』だけが特別というわけでもありません。
ただ、たとえ前サビを用いたとしても、前サビが終わりAメロに入るまでの間、必ず余韻が用意されるもの・・・
そして、短い前サビの後にAメロが直結しているというケースは案外少なく実にユニーク!
この独特な演出が、非常に癖を感じさせ、女性独特のアンニュイな印象をも与えてくれているので、思わず序盤から魅了されてしまうのです。
実は、椎名林檎さんはあるインタビューで、
「楽曲提供する際に、自分を一切出したくない」
と語られていたのですが、結構、椎名林檎テイストが盛り込まれているように思います。
まぁ、椎名林檎の音楽要素が随所に見られるからこそ、『おいしい季節』は、思わず心をときめかせてしまう名曲に仕上がっているのでしょうね。
また、CM起用されている『明治チョコレート』の魅力にも、このメロウで甘い曲調がぴったり当てはまります。
栗山千明にも楽曲提供

今回、椎名林檎さんが逆カヴァーしたアルバム「逆輸入」にも収録されているおいしい季節ですが、椎名林檎ヴァージョンだけ聴けば、かなり誘惑色が色濃いです。
冒頭から囁くように歌う歌声にハープが重なり、女性の愛に包まれているかのような錯覚を抱かせられます。
その後に、メロディーラインで女の本音と思えるような歌声とストリングスのせめぎあいが見られ、どんどんメロウな印象を与えていくのです。
そのせめぎあいが、女性の本音の部分と、男を誘惑するようなアンニュイな部分の二面性を魅せてくれている…
その色合いが濃いために、他にない唯一無二の存在として聴くことが出来るのです。
また、栗山千明ヴァージョンで聴くと、また装いが大きく異なり、ロックテイストに様変わりしながら、かなりエロティックな印象を与えます。
この変わり様も、この楽曲ならではの魅力と言えるでしょうね。
もし機会があれば、椎名林檎ヴァージョンと、栗山千明ヴァージョンを聴き比べてみてください。
かなり装いが異なりますが、それぞれの魅力が存分に引き出された他にない楽曲であることが存分に伝わりますよ。
おいしい季節の歌詞の意味
椎名林檎さんが紡ぎ上げた名曲「おいしい季節」の最大のテーマは、ズバリ「女心」と筆者は考えています。
この歌詞の中で出て来る登場人物は、主人公である女性と、相手役の男性の二人です。
この二人の登場人物は、まさにこの十数年の時代を象徴とする女性・男性キャラクターです。
男性は、草食系というべきか、経済的事情などもあってなかなか結婚に踏み切れないタイプと印象づけられる男性キャラクター。
一方、女性の方は、とにかく気質がコロコロ変わるキャラクター。
急におしとやかに黙ってしまったかと思えば、急にヒステリックに騒ぎ立ててみたり、愛を迫ったりと、実に女性らしさが伺えます。
女心と秋の空という言葉があるように、女性の心は移ろいやすいですよね。
まるで猫のように気まぐれで、だからこそ色んな表情を見せていく…
そこがまた魅力的なのかもしれませんが、男としては、こういうタイプの女性にはとにかく振り回されてしまいそうです。
さて、具体的に「おいしい季節」の中で登場人物の性格が描かれているわけではありませんが、その気質が伺える歌詞が幾つか存在します。
各パートの冒頭部などは、特にその意味が色濃く伺えます。
- Aメロ「些細な事で褒めたり」
- Bメロ「話題が継ぎ接ぎ自然じゃないデザイン」
- サビ「I SCREAM」
など…
と、とにかく浮き沈みがすごく激しく感じられる歌詞のオンパレードなのです。
そのくせ、随所でアイスが溶けていく様子になぞらえ、女の賞味期限も短いと男に迫り、男がその裏で振り回されている様子が伺えます。
もちろん、この楽曲の主人公は女性であり、男が登場すると言っても具体的な部分で描かれているわけではありません。
女性キャラの描かれ方の裏で、余韻として感じられるというのが正直なところです。
ただ、その余韻が独特で、一つのドラマを感じさせてくれるのです。
そして、
アイスが溶ける情景になぞらえ、旬は今なんだから早く(楽園においで)結婚してくれないと溶けちゃう(結婚のタイミング逃しちゃう)よ!
と、彼に迫っていく女性の動きが最後に具遺体的な形で見えていく…
そういったニュアンスを一つの物語として描いているのが、「おいしい季節」の歌詞が持つ意味そのものなのです。
先程もお話した通り、この曲の最大のテーマが「女心」だと筆者は考えています。
極端な話、どんなに愛している彼氏であっても、結婚の可能性が全く感じられなくなったら、すぐに別れて次の男性へと乗り換えたりします。
男のように浮気心を持つ女性は少ないかもしれませんが、変わり身という点では、女性の方が速いです。
そして、一度別れた男性のことなど、すぐさま綺麗さっぱり忘れてしまうのも女性独特の気質です。
もちろん、全ての女性がこのような性格であるとは言いませんが、一つの傾向としては見られる話ですし、そういうリアルが描かれている…
筆者自身、そのような印象をこの楽曲から受けた次第です。
なお、歌詞のニュアンス・意味としても、歌い手によって大きく変わります。
栗山千明さんが歌えば、実にエロティックに男に迫っている様子が伺え、椎名林檎さんが歌えば、しおらしく結婚に憧れる女性と感じさせられます。
そして、同時に男性キャラも、歌い手によって様変わりしていきます。
また、聴き手によってもガラリと印象が変わる歌詞構成になっています。
その上で、変わりやすい女心を、溶けやすいアイスクリームやのようになぞらえながら、妖しく男性たちを惑わす様に表現している…
ここが、このおいしい季節の歌詞の意味であり、魅力の部分でもあるといえるでしょうね。
歌詞の意味を一つ一つを感じながらこの楽曲を聴いていると、実にドキッとさせられるような気もちになりますよ。
ぜひ、みなさんも、一度じっくり聴いてみてくださいね。
【「おいしい季節」をおすすめしたい人物とは?】

最後に、椎名林檎さんや栗山千明さんが歌う楽曲「おいしい季節」を聴いてほしいと、筆者がおすすめしたいタイプの人物を挙げておきたいと思います。
それは、ズバリ、恋そのものを求めている男女です。
結婚して幸せ真っ只中なご夫婦なら、この曲を聴いてメロウにならなくても既にラブラブで幸せなのですから、そこまで必要性は無いと思います。
肝心なのは、仕事に疲れ人とのふれあいや癒しを求めている人です。
嫌なことも乗り越え仕事を頑張り一日終えた時、
- 「頑張ったねえらいね」
- 「愛しているよ」
なんて、好きな異性から言われたら、それだけで心が癒やされたりしませんか。
おいしい季節という楽曲は、女心をテーマに描かれた楽曲ですが、アイスクリームになぞらえ、男性に愛を迫っていく楽曲でもあります。
その姿が、実に愛らしくて、男としては抱きしめたくなりますし、女性としては素直に共感でき男性に抱きしめてもらいたいとより強く思うでしょう。
好きな人をイメージしながら聴いていただけると、きっと恋人同士でイチャイチャしながら恋のやり取りをしているような甘い気分が味わえます。
そんなテイストを持っているからこそ、バレンタイン商戦真っ只中の、明治チョコレートテレビCMのイメージソングに起用されているわけです。
なので、特に日々の生活に疲れ、恋に恋い焦がれているような人たちに聴いてもらいたいですね。
みなさんも、ぜひ、おいしい季節を聴いてメロウな気分を味わってみてください。
すごく癒やされること間違いありませんよ。
まとめ
今回は、椎名林檎さんの楽曲「おいしい季節」の曲調・歌詞の意味を独自の視点で解説しながら、その魅力をご紹介していきました。
基本的に、曲調・歌詞併せて、特に恋愛・結婚が絡んだ女心の移ろいやすさを、アイスクリームが溶ける様相になぞらえて描かれている楽曲です。
今までの恋愛ソングの王道を外れ、実に椎名林檎さんらしく唯一無二の楽曲として仕上がっています。
また、彼女が提供した栗山千明さんが歌った場合、ロックでエロティックに世界観が映し出され、また違ったテイストが味わえます。
ぜひ、恋に恋い焦がれ日々の日常に疲れている方は、一度この曲を聴いてみてくださいね。