ウエスカ・岡崎慎司とマジョルカ・久保建英の天国と地獄が教えてくれた真実

コロナ自粛がとりあえず開け、世界のサッカーリーグも再開されるようになりましたね。

2020年Jリーグも開催され、川崎フロンターレのような好調チームもあれば、鹿島アントラーズや清水エスパルスのように、未だに1勝もできておらず不調にあえいでいるチームもいくつかあり、勝負の世界ならではの天国と地獄が見えてきました。

これは何もJリーグだけの話ではなく、スペインリーグでも日本人選手が所属するチームで天国と地獄が分かれていたりするものです。

そこで、今回は、スペインリーグで明暗を分けた久保建英選手と岡崎慎司選手における状況の差を筆者個人の見解も交えながら解説していきます。

岡崎慎司選手所属ウエスカのスペイン1部昇格!

出典:https://news.yahoo.co.jp/

7月17日(日本時間では18日早朝)、スペインリーグ2部で第41節が行われ、残り1節を残しながら、岡崎慎司選手が所属するウエスカが自動昇格の2位以内が決まり、1部昇格が決定しました。

40節までの時点で、3位のアルメリアが勝ち点63、4位サラゴサが勝ち点62と、ウエスカの勝ち点64から勝ち点2差に迫っている状況で、この時点で自力での自動昇格はありませんでした。

しかし、第41節ヌマンシア戦で、岡崎選手がチーム最多の12ゴール目を決め3-0の勝利に貢献すると、3位アルメリア、4位サラゴサが共に敗戦し、3位アルメリアとの勝ち点差が4に広がったことで1部昇格が決定!

他力が必要ではあったとしても、ウエスカがしっかり勝ち点を積み重ねることができたからこそ昇格が決まったことに違いありません。

今シーズン始め、岡崎選手はイングランドプレミアリーグ所属『レスター』からスペイン2部マラガに移籍しましたが、マラガがスペインリーグの定める『選手年俸総額』を超えてしまうという失態を犯してしまい、試合に出ることなく同2部ウエスカへ移籍。

スペインリーグも開幕した後のドタバタ劇に振り回され、苦難の1年になるかと思いきや、岡崎選手は、第4節スポルティング・デ・ヒホン戦で途中出場を果たし、スペインデビューすると、ここまで12ゴールをたたき上げ、チームからも賞賛されています。

特にスペインのメディアでは、『ウエスカの奇跡』とまで絶賛され、過去にレスターでイングランドプレミアリーグ優勝を果たしたときと同じくらいのフィーバーぶりですよね。

実際に、彼が出場している試合のハイライトをいくつか見ましたが、他の選手たちも岡崎選手を信頼して、ピンポイントのクロスを何本も上げていることからも、その信頼の高さは容易にうかがえます。

やはり、愚直にゴールをめざし果敢に攻め抜いただけでなく12ゴールという結果を残せていることが、信頼の証といえるでしょう。

ただ、これは2部での結果に過ぎず、重要なのは来シーズン1部に昇格しどれだけ結果を残せるかということ・・・

果たしてウエスカの奇跡は、1部でも継続し、レスターに所属していた頃に続いて、今度はスペインリーグ1部で優勝を手にすることができるか・・・

歓喜となった翌年だけに非常に注目したい1年となりそうですね。

久保建英の悲哀

出典:https://www.football-zone.net/

岡崎慎司選手がウエスカ1部昇格を決め歓喜に浸っている一方で、スペインリーグ2部に降格が決まってしまい、まさに悲哀の1年となってしまったのがマジョルカの久保建英選手。

久保選手も特にここ最近、華麗なパフォーマンスを数多く見せ、現地メディアでも絶賛されていた選手の一人として注目されていました。

しかし、ここ一番で力を発揮することができず、終わってみれば18位(もしくは19位)が決定し、来季は2部で戦うこととなってしまいました。

まぁ、マジョルカの2部降格が決まったとしても、来季、久保選手がどこでプレイするかまだ不透明ですし、もしかしたらレアルマドリードレンタルバックさせ復帰という可能性も0ではなく、いろいろ楽しみな部分を残していることに違いはありません。

一部ではACミランやレアルソシエダに移籍するのではという噂も浮上しているのですが、いずれにしても、マジョルカでの雄志がみられるのは次節最終戦がラストということになるでしょう。

とはいえ、自身のチームを2部に降格させてしまったことは紛れもない事実で、そのことに落胆している様子もうかがえただけに、岡崎選手と比較して天国と地獄(明暗)がはっきり分かれてしまったなと感じました。

岡崎慎司と久保建英の明暗を分けた要因とは?

出典:https://www.football-zone.net/

さて、岡崎慎司選手と久保建英選手の明暗がはっきり分かれてしまった要因ですが、一つ言えるのはチームからの信頼感の違いが大きかったといえますね。

先ほどもお話ししたように、岡崎選手は、コンスタントに選手からの信頼を得て結果を出していましたが、一方久保選手は終盤結果を出して大注目されていたものの、なかなか他の選手からの信頼を得られていなかった感が拭えませんでした。

特にマジョルカに移籍した頃の久保選手には、なかなかパスが回ってこず孤立していたという話も聞きます。

これは、先日、『ムンド・デポルティーボ』という海外メディアで報じられていたニュースですが、久保建英選手がセンセーショナルだったと賞賛する一方、

  • 『彼の刺激とクオリティーを持ってしても、マジョルカの残留には不十分だった』
  • 『タケ(久保建英選手)は多くの状況において孤立していて、仲間のサポートがほとんどなかった。19歳の若者が試みたが、一緒に打開するために一歩前に踏み出すほかの選手がいなかった』(一部抜粋)

ともいわれています。

どんなにポテンシャルが高くても、サッカーはチームで行うスポーツであり、一人孤立していては、結局何もできなくなるのは当然です。

実際に、降格が決まった第37節のグラナダ戦にて、ベンチから『久保にパスを回せ』という激が何度も飛び交っていたと聞きます。

久保選手がポジショニングしていた右サイド結構スペースが空いていてパスも出せたはずなのに、それでも檄が飛ぶというのは、如何にチームメイトと連携がとれていなかったかを物語っていますよね。

まぁ、最終的には、他のチームからも久保を止めろという声が飛び交っていたらしく、激しいマークに遭い結果を残せなかったわけですから、最終節だけ久保選手を信頼していたとしても『時すでに遅し・・・』といったところでしょう。

どんなに優れた選手であっても、一人では何もできないですし、チームが一つにならなければ、どうにもならない・・・

そういう点では、筆者が愛するヴィッセル神戸もジョー選手が契約解除となった名古屋グランパスも同じことがいえます。

神戸の場合は、ポゼッションサッカーを掲げているのは良いのですが、どうも急激に自信を見失うところも多く、消極的なバックパスだったり、何かにつけてイニエスタ選手にパスして逃げようとしているシーンが見られます。

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もちろん、そればかりではないのですが、先日のJ1第4節の大分戦でも消極的なバックパスでミスが生まれあわや失点というシーンが何度もありました。

まぁ、この一戦ではレギュラークラス6名が入れ替わっていたわけですから、仕方ない部分もあるのかもしれません。

ただ、いずれにしてもイニエスタ選手の存在も、周りがそれを生かさない限り勝利には結びついていないわけで、久保選手も同じようなところを感じていたかもしれません。

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一方、ジョー選手に関しては、名古屋に移籍し生活していく中で、こんなに冷たく閉鎖的な国は初めてと語っているほど、サッカー選手としての生きづらさを感じている様子がうかがえます。

確かに国民性の違いとか、郷に入っては郷に従うべきといわれたらそれまでですが、そういうことを言い出すなら、それこそ外国人選手を入れなければ良いわけで、戦力補強として加入してもらっているのだから一致団結すべき!

久保選手が所属するマジョルカはそれができず、岡崎選手が所属するウエスカはそれができた。

その差が歴然と出た両者の所属チームだったといえるでしょうね。

サッカーチームにとって何よりも大切なものとは?

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さて、ここまで明暗はっきり分かれた久保建英選手と岡崎慎司選手の状況を踏まえながら、その要因を解説していきましたが、先ほども触れたとおり、サッカーチームにとって大切なのは一致団結の心にあると筆者は考えています。

どんなにスーパースターがいてもサッカーというスポーツは勝利することは難しく、チームが連動して初めて勝利が見えてくるスポーツであると、両者の状況を見てもはっきりしましたね。

特に今の激しい近代サッカーにおいては、マラドーナ選手のような一人で何人もドリブルで抜き去りシュートを決める選手がいたとしても、いずれ攻略され防がれてしまうだけ・・・

大事なのは、スーパースターであろうがなかろうが、選手一人一人の個性を生かしつつ、チームが一致団結していくことにあると筆者は考えています。

これは、サッカーに限らず人生においても人々が人種や価値観にとらわれることなくいじめ差別をなくし支え合いながら生きていくことが大切という話に相通じていくことだと思います。

特にサッカーチームあってのスポーツです。

それだけに、世界の各チームが、もっともっと一致団結し連携を深めながら、さらなる激しくスリリングな試合を見せてくれることを期待しています。

まとめ

今回は、スペインリーグに所属する岡崎慎司選手と久保建英選手の両者の間ではっきり分かれた明暗についてと、明暗がはっきり分かれた要因、サッカーチームにとって一番大切なものを、サッカーファンである筆者個人の独自の視点で解説しました。

やはり、大事なのはチームスピリットであり一致団結の精神ほかないと筆者は強く感じました。

みなさんは、岡崎慎司選手と久保建英選手におかれた天国と地獄を見てどのように感じましたか?

所詮はサッカーでの話と言われたらそれまでですが、今回の話は私たちの人生の過ごし方にも相通じるものがあります。

ぜひ、その一部分だけでも頭の片隅に入れて、サッカーをより好きになるきっかけとしていただけたら幸いです。